里ネコ・ミーヤのこと |
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七つの仔の出産と成長のアルバム |
出産の日 -2010.4.27- |
第一週 -2010.4.28-5.3- |
第二週 -2010.5.4-5.10- |
第三週 -2010.5.11-5.17- |
第四週 -2010.5.18-5.24- |
第五週 -2010.5.25-5.31- |
第六週 -2010.6.1-6.7- |
第七週 -2010.6.8-6.14- |
第八週 -2010.6.15-6.21- |
第九週 -2010.6.22-6.28- |
第十週 -2010.6.29-7.3- |
最後の頁 -2010.7.4- |
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里親さんのお便りコーナー |
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ミーヤの物語 |
2010年のこと |
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28年も前のこと、最初の子どもは、妻の実家のある五所川原での里帰り出産。
わたしはちょうど長期で泊りがけの研修に入っており、研修の途中で講師室に呼び出され、電話口の義母から長女の誕生を教えてもらった記憶があります。
しばらくして、横浜に戻っきた娘と対面し、妻と再会して、驚きました。妻がすっかり母親になっています。女性は自然に母になるが、男は訓練しないと父になれないなあ、と悟りました。
ミーヤが、赤ちゃんネコと添い寝しているのを見ながら、あのときのことを思い出しました。
後産なのか、きょうは寝床がミーヤのおりもので少し汚れています。初産で七匹。ちょっとつらいのかも知れませんね。でも、若くて食欲もじゅうぶん、大丈夫でしょう。
産後は、八畳一間の中の寝床と食事場、トイレを行き来するだけの生活。ほとんど仔ネコを抱えてじっとしています。さすがに気分転換も必要なのか、ときおり寝床からでてきて、すこし遊ぼうよとせがみます。
夕刻には体調も良くなったのでしょうか、外に出たいと鳴きだしました。産後3日目にしてはじめて外の空気を吸いにふらりと散歩。出産前は、大きなお腹を抱えながら、裏山まで遠出していましたので、桜でも観てきたのでしょうか。
秋田の朝晩はまだまだ冷えます。部屋を暖め、シーツをまめに取り替えて、栄養のある食事を採って、頑張っているお母さんを応援しましょう。
わたしたちが転居したてで、ミーヤがまだ納屋暮らしであった頃、引越しのダンボールで簡単な住まいを造りました。床・壁・天井をプチプチで内張り断熱し、使い古しのバスタオルを数枚、敷きました。アート引越センタのダンボールでしたので「アートハウス」。
しかし、これは、つらい時期を思い出させるのか、その後はあまりお気に召さず、後輩が宅配で贈ってくれた胡蝶蘭の箱を改良したところ、産室にうってつけのようでした。名づけて「フラワーホーム」。
ところが、七匹も赤ちゃんが生まれると、これでは狭すぎます。そこで、アートハウスとフラワーホームを合体させて、育児ハウスとしました。すなわち「アートフラワーハウス」。
ミーヤは、きょうもずうっとアートフラワーハウスの中です。
それでも、そうですね、30分とか、1時間おきくらいには出てきて、よろよろパタンと横たわります。やれやれ、子育ては楽じゃないわね、という風に・・・。背筋や四肢をいっぱいに伸ばして、一息ついたら、またアートフラワーハウスに戻るのです。
猫にはおっぱいが4対8個ついています。計算上は、七匹の仔ネコそれぞれに行き渡ることになります。ところが、目も耳も開いていない赤子が、むんずほぐれずで一塊になっているわけですから、いったいどのように振り分けられるのか、不可思議。仔ネコは生まれてすぐ、母親猫の乳首を探して、お乳を飲みはじめます。臭いが分かって、自分の乳首をひとつ決めてしまうのだと言います。それにしても、一匹々々、日に日に育っていくのですから、たいしたものです。
アートフラワーハウスから、ミーミー、ミーミーと赤ちゃん猫が、鳴き続けるのは、母猫ミーヤの下敷きになってしまったときです。おかあさん、重たくて苦しいよ、と鳴いても、しらんぷり。たまりかねて、引き出してあげても、ミーヤはあらシツレイ、といった風です。猫も子持ちになると肝っ玉が据わるのでしょう。
生後5日目の記念撮影と体重測定です。
子育ても軌道に乗ってきたのでしょうか。ミーヤの献身的な母親ぶりはかわりませんが、2日前から朝四時に枕元にやってきて、ささやき声でちょっと外に出してよ、とせがまれます。恥らうようなせがみ方にほだされて、ついつい玄関を開けますと、さぁ、いそがなくちゃとばかり、いそいそと駆け足で、庭を横切り、農道を渡って、山まで駆け出します。トイレもあるのでしょうが、それにしては遠くまでいくものです。猫には、こうして飼い主にも明かさない謎めきがあります。出産前は、天気次第で半日も外で遊んでいましたが、いまは30分ほどで戻ってきます。
スガンさんのヤギ、という絵本があります。ヤギ飼いのスガンさんのヤギは、山に行って、自由にふるまいたくてどうしようもありません。スガンさんの制止を振り切って、山に入り、しかしやがて、狼に喰い殺されてしまいます。そんな哀しい、そして、すこし考えさせられる絵本です。
猫も外に出せば、リスクがあります。事故や怪我、病気。ここは農道を通る車は多くはありませんが、トンビやカラス、ノスリもいます。狸や野犬も怖い存在。
それでも君は行くんだね。
ミーヤ。牝推定1歳。日本猫雑種。尾は短く、いわゆるボブテール。毛並みは、白っぽい雉、というのでしょうか。複雑なグラデーションで、いつもみても、ずっとみていても見飽きない色合いをしています。白地に灰と薄茶が交わり、雉柄もつよくなく、ときに豹模様のように点々とします。今までの写真では、ちょっと分かりづらいですね。白く見えたり、灰色っぽかったり、茶色がかったり・・・。出産前の写真ですが、こんな感じです。
雑種ですから、彼女にはいろいろな遺伝子が入っているはずです。父親はだれなのか分かりませんが、七匹のなかには、父譲りの仔、ミーヤ似の仔、どちらでもないねという仔、いろいろいることでしょう。七匹それぞれに、どんな個性が発揮されていくのか、楽しみです。
ネコの赤ちゃんは、授乳中は1日に10〜15gほど増加するのだそうです。ほんとうに日に日に大きくなっています。毎日、体重を計れば良いと云いますが、あまり刺激を与えたくはないので、しばらくは一週間ごとにします。