里ネコ・ミーヤのこと |
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七つの仔の出産と成長のアルバム |
出産の日 -2010.4.27- |
第一週 -2010.4.28-5.3- |
第二週 -2010.5.4-5.10- |
第三週 -2010.5.11-5.17- |
第四週 -2010.5.18-5.24- |
第五週 -2010.5.25-5.31- |
第六週 -2010.6.1-6.7- |
第七週 -2010.6.8-6.14- |
第八週 -2010.6.15-6.21- |
第九週 -2010.6.22-6.28- |
第十週 -2010.6.29-7.3- |
最後の頁 -2010.7.4- |
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里親さんのお便りコーナー |
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ミーヤの物語 |
2010年のこと |
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ミーヤを保護したとき、猫風邪をこじらせていました。通院して注射をし、薬も投与してほぼ治ったかに思えた頃、お産となりました。ところが、冬日の納屋住まいのダメージは相当根深いのでしょう、数日前から、鼻水がでて、詰り気味。薬を再開し、ようやく良くなりかけてきました。根気強くやりましょう。
外遊びから帰ってきたと思いましたら、どうも様子が変。じきに身を投げ出して、息苦しそうにし始めました。犬のように舌を出し、胸が動悸で波打ちます。10分ほどで落ち着きましたが、呼吸が困難になるほど、なんらかの異変があったのでしょう。なにものかに追いかけられ逃げ帰ってきたのかも知れません。いやあ、かなり焦りました。
産後一週間が経ち、ミーヤは、少しずつ育児箱の外で過ごす時間が多くなってきました。外出したがるようにもなり、わたしもすこし油断したのかも知れません。しばらく外出は禁止ですね。冒険やいたずらは、お家のなかでどうぞ。
誕生2週目となった仔ネコたちに、これからどのような変化があるのでしょうか。まず耳と目ですが、いまは閉じたままです。これが、生後10日を過ぎると外耳道が開き、音に反応するようになってきます。折れ曲がっていた耳も立ってきます。
目も、やはり生後10日くらいでうっすらと開き、その後、2・3日で開ききります。ただ、そのころの目は濁った灰色をしていて、まだ物をはっきり見ることができないそうです。生後3週間のころには、よく見えるようになり自分で歩き始めます。生後2ヶ月には目の濁りもなくなり、視力が完成すると言います。
おっぱいを飲んで寝てばかりいた仔ネコたちが、外の世界に向けて歩き出す、その第一歩が、もう数日のうちに起こりそうです。
午後から、にかほ市のStさん、青森市のYhさんご夫婦が、あいついでそんな仔ネコを見学に来られました。また、夕には、八峰町からIsさんが来られる予定です。バランス良くお見合いが成立してくれるといいのですが・・・。
いぬ・ねこネットワーク秋田の皆川さんとお話しする機会があり、仔ネコを手放すタイミングについて、ご相談しました。離乳が終わり、ドライフードも食べられるようになり、社会関係の形成期にあたる、生後2ヶ月頃がもっとも望ましいそうです。
新しい環境に慣れる条件を整えており、心身もじゅうぶんに発達したと考えられます。
この時期よりも早すぎると、身体的にも、社会化という面でも発達が不十分なので、後に問題を起こす可能性が高くなりますし、4ヶ月以降になりますと、母猫や兄弟、産まれた家の人たちだけへの社会化が起こり、新しい家庭に慣れにくいようです。
そうなりますと、6月下旬ですね。それまで、保育園は満員御礼フル稼働。
朝食を食べ終わって、部屋に戻るとミーヤが仔ネコをくわえ、アートフラワーハウスから出て行きます。覗いてみると、四匹の仔ネコしかいません。なんと、突然の引越しです。
ここはわたしたちの仮住まいのお宅ですので、荷物の半分は解梱せず、そのままにしてあります。北向きの一番奥の八畳間を荷物部屋としました。ダンボールが部屋いっぱいに山積みです。その隅の床の間に、大家さんご一家の古い鏡台があり、よりによって、その抽斗の穴が引越し先です。
アートフラワーハウスが手狭になったのか、たびたびの来客を警戒したのか、あるいは外に出られないストレスで気分一新しようとしたのか・・・・・。突然の物言わぬものの行動にこちらもあっけにとられてしまいます。
新居は、たしかに奥まって、誰にも邪魔されそうもない場所です。原因がなにかはとまれ、彼女の意思は尊重すべきでしょう。
やがて、その謎が解けてきました。庭から聞こえる声、横切る影。大きな牡のノラネコの出現です。これを恐れて、仔ネコを安全な場所に移したのでしょう。引越しのあとで、わたしたちに向かってなにかを懸命に訴えていました。そして、いままでにない、異常なほどの甘え方をしたのは、いわゆる転移行動を呼ばれるものなのではないでしょうか。
まだまだ、朝夕は冷え込みますので、陽も射さぬ北向きの奥部屋であることが気になりますが、彼女の本能と知恵を信じて、見守ることにします。
雄ネコは発情すると、子育て中の雌を襲い、育児放棄させてまで交尾にいたることがあると聞いたことがあります。昨朝のミーヤの様子は、それを回避するための行動であると解釈したのですが、それはそうとして、どうしてこのような場所に忽然と複数の雄ネコが現れて、鳴き始めたかといい
ますと、ミーヤが発情したためだということが分かりました。
昨夕から発情期特有の鳴き方をするのです。授乳期間中は、発情しないという固定観念がありましたが、調べてみますと、とくに若いネコにはままあることなのだそうなのです。しきりに外出したがり、すっかり恋する母ネコ。外に出して欲しいと懇願するミーヤに、仔たちを気遣う表情が感じられず、すこし不安がよぎります。それでも、奥の部屋の育児室に戻ると母の姿になります。
離乳期になれば、これからのこともあるので避妊手術を受けさせるつもりですが、いまはそのタイミングではありません。これはもう、しばらくは見守るしかないかな。母性と繁殖の両方の本能のはざまで戸惑っているのは、彼女自身なんでしょうしね。
八峰のIsさんから、ミーヤの容態(?)を気遣うメールをいただきました。能代のIiさんは、今夕、見学に来られる予定でしたが、日をあらためていただくことにしました。ご心配かけています。
雌ネコの発情は排卵をトリガーとして終わります。交尾が排卵をうながしますので、それがないと発情の日数も長引きます。夜な夜な外出したがって、家中を走り回るのは可哀想でもあるし、仔ネコは大丈夫だろうかと気にかかります。枕元でしきりに催促されますので、わたしたちの方もドンヨリと寝不足です。
昨晩、甘えてすり寄ってきたとき、ふと畑正憲さんの秘伝を思い出しました。・・・で、小1時間ほどマッサージをしてあげました。すると驚くほどの効果。夜中にまったく騒ぎません。発情が終わったわけではありませんが、育児室で仔ネコと過ごす時間が戻ってきました。とても信頼できる母ネコに戻っていますので、ご安心ください。なお、まったく外に出さないのも、これまでの育ちを考えますと酷な気がしますので、ハーネスをつけての散歩を気取ってみました。わたしもミーヤも不慣れでぎごちありません。出ないよりはましね、と云ってました。
あとは、奥の部屋の隅に引っ込められてしまった仔ネコたちを、どういうタイミングでどうやって表に出してくるか、ですね。離乳開始の三週間目が潮時でしょうか。
小1時間のマッサージはどういうものか、ですって?そ、それは、ちょっと官能的過ぎて・・・。
わたしたちが、ネコを飼うのは、ミーヤで2匹目になります。ペット可のマンションも増えていますが、都市部のアパートや団地住まいではなかなかたいへんなのです。
最初のネコは『小鉄』。わたしたち夫婦が新婚だった頃、川崎のアパートに居た雄ネコです。引越した部屋の前の住人が置き去りにしていきました。そのまま預かったようなかたちでしたが、その一年後にはわたしたちも社宅に越すことになりました。ずいぶん可愛がりもしましたが、所詮、無責任で気まぐれな自己満足なものでした。結局、わたしたちは置き去りにされたネコを置き去りにしたのです。
ミーヤと七匹の仔ネコは、その贖罪のためにわたしたちの前に現れたような気もします。