里ネコ・ミーヤのこと |
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七つの仔の出産と成長のアルバム |
出産の日 -2010.4.27- |
第一週 -2010.4.28-5.3- |
第二週 -2010.5.4-5.10- |
第三週 -2010.5.11-5.17- |
第四週 -2010.5.18-5.24- |
第五週 -2010.5.25-5.31- |
第六週 -2010.6.1-6.7- |
第七週 -2010.6.8-6.14- |
第八週 -2010.6.15-6.21- |
第九週 -2010.6.22-6.28- |
第十週 -2010.6.29-7.3- |
最後の頁 -2010.7.4- |
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里親さんのお便りコーナー |
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ミーヤの物語 |
2010年のこと |
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里の秋。
朝晩はめっきり冷えこむようになりましたが、日中は汗ばむような陽気です。
秋は実りの季節です。栗が地面に落ち、柿が色づくなか、ミーヤはたっぷりと日向ぼっこです。じきに冬がやってくるのを知って、明るい陽ざしを惜しむかのように・・・。
新居が建っていく様を眺めるのは、わたしたちにとって楽しいものですが、ミーヤにもその迷路感がたまらないようです。
現場監督ばりに、屋根の葺き具合や柱の構造をチェックするかのように、くまなく廻るのです。
このごろは、早朝の散歩が日課になりました。
散歩と申しても、犬のそれとは違って、建築中の家を含めた土地の周辺をぐるぐる三周ほど気ままに歩くだけです。それでも、その気ままなところが滅法気に入ったようで、散歩しようよとせがみにくるようになりました。
勢いよくダッシュしてみたり、トンボを追いかけたり、ネコジャラシとじゃれたり、木登りしたり、気が向くと擦り寄ってきて撫でられたり、ニャアと呼ばれてハァイと応えたりしながら、ぶらついています。
ミーヤは、案外、わたしの散歩につきあってあげていると考えているのかも知れませんね。
お父さんお母さん、いそがしそうだね。
おぉそうなんだ、ネコの手も借りたいくらい。
ふ〜ん、それじゃなにか手伝ってあげるよ。
ありがと・・・でも、ほんとうのネコの手じゃねぇ。
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こうしてわたしたちが作業の最中を、たびたび訪ねてきて、結局、遊んでくれとせがむので、仕事が中断してしまうのでした。
仔ネコがいなくなって、避妊手術の傷を癒えて、以前よりも甘えん坊になった気がします。
仔育ての責任という荷が肩から降りたこともあるでしょうし、わたしたちと逢って4ヶ月近くもなったということもあります。出産や育児を通じて、親子のような信頼感が出てきたような気がしており、ミーヤも娘気分なのかも知れません。
なお、ミーヤは、生粋の里ネコですから、決してパパママとは言いません。おとうさん、おかあさん・・・です。もっとも、わたしたち飼い主以外にはニャアとしか、聞こえないようですが・・・。
ミーヤは、術後の2-3日は、さすがにお腹も痛いのでしょうね、物憂げな様子。わたしたちを避けるかのように、いつもほとんど上がらない2階に独りでじっとしていました。ときおり、水や餌を口元に寄せても、食欲はなく、わずかに水を舐めるほどです。
車好きではありません。捨てられたときも、恐らく車に乗せられたことでしょうから、その記憶が甦るのかも知れません。わたしたちと出逢っても、車に乗ると、決まって獣医に連れて行かれるのですから、厭なことばかりです。それにしても、手術の日は、とても不安げな様子で啼き続けていました。これから体にメスを入れられるのが分かるのでしょうか、抱っこは嫌いなのに、妻が抱き上げると、素直にされたほどです。
1週間を経てからは、随分、元気になってきて、その頃には仔ネコを探すこともなくなり、里山に棲むネコとしての本来のかたちを段々に取り戻してきたようです。
昨日、抜糸。
この10日は完全家ネコ状態でしたが、ご褒美にちょっと庭に出しますと、やれやれとばかり深呼吸しています。よほど嬉しいのか、50bもダッシュして、ついでヒバの木を5bほど駆け上がりました。
今朝は、庭に訪問してきた4軒隣の飼いネコ・みかんに、なわばりを主張。啼きあいの末に、取っ組み合いとなり、みかんの家まで追いかけていきましたが、今度はみかん家のミニチュアダックス・もみじの加勢もあって形勢逆転。逃げろ逃げろとばかりに、帰ってきました。
ミーヤは、とても元気になりました。里親さんから送られてくる仔ネコの成長した写真を見せてあげられないことが残念ですが・・・。
ミーヤは寝ています。仔育ての疲れをここで取り去るかのように静かに長く眠っています。ときおり微笑んだかのように映るときがあります。ネコも夢をみるのでしょうか、それならどんな夢でしょう。
いまでも仔を探します。どこかに隠れていないか、探します。わたしに食事のお裾分けをねだり、仔ネコにあげようとして、それを咥えて鳴いて呼びます。
ソファのブルーシートを取り払いました。三連のひとつを対面に離し、社長のソファと名づけましたところ、そこがお気に入りの場所になりました。ミーヤ社長の誕生です。
わたしたちが庭で作業をしていますと、かならずそれを見守りにやってきます。裏山の竹藪を伐っているときでも、山まで追いかけてきます。
こうして段々にリズムを取り戻しています。ですから、ミーヤは元気です。ええ、とても。
きょう、朝早く、獣医に連れて行きました。避妊の手術のためです。昨晩は七夕。彦星に逢えなかったばかりか、手術台に乗せてしまうわけですが、無事に終わるよう祈りましょう。病院で一泊です。ですから、今晩、この家にはわたしたち人間ふたりが居るだけです。ひとり孫娘を旅に出した老夫婦の気分です。