里ネコ・ミーヤのこと |
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七つの仔の出産と成長のアルバム |
出産の日 -2010.4.27- |
第一週 -2010.4.28-5.3- |
第二週 -2010.5.4-5.10- |
第三週 -2010.5.11-5.17- |
第四週 -2010.5.18-5.24- |
第五週 -2010.5.25-5.31- |
第六週 -2010.6.1-6.7- |
第七週 -2010.6.8-6.14- |
第八週 -2010.6.15-6.21- |
第九週 -2010.6.22-6.28- |
第十週 -2010.6.29-7.3- |
最後の頁 -2010.7.4- |
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里親さんのお便りコーナー |
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ミーヤの物語 |
2010年のこと |
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家猫か、外猫か、に賛否はいろいろあるでしょうが、避妊・去勢を前提として、最初から家ネコとして躾けて、育てていくことが、総合的には望ましいと思えます。一方、ミーヤの場合は、外飼いの環境に慣れ親しんできたわけですから、これから、どのようにしていけば良いか、実は思案中です。
人間とネコを比較するようで、不遜のそしりを受けそうですが、わたしは家猫・外猫論議を考えるとき、 日本放送文化大賞となった「山で最期を迎えたい ある夫婦の桃源郷」という番組を思い出します。山口県中国山地の奥地に住んでいた夫婦が、生活のため都会に出て、3人の娘を育てます。ところが、80歳を過ぎて、どうしても山で暮らしたいと、電気も水道もない山奥に戻っていくのです。やがて、夫が先立ち、妻が認知症になります。
ハーネスにつながれながらも、外に連れ出したミーヤの瞳は好奇心に輝きます。他所様がどう申せど、山で育った夫婦は山に還っていきました。家猫になり切らせることが、ミーヤというネコにとって、幸いであるのでしょうか、・・・・・もう少し考えてみたいと思っています。
田舎に移住してきたわたしたち夫婦の、これからのありていを問われているような気もするのです。
仔ネコたちも3週目を迎え、どのような成長があるのでしょうか。
少し折れ曲がっていた耳が、すでにピンとネコ耳になっています。目も開きましたが、瞳がロンパリ状態ですので、まだ焦点は合わせられません。これがこの一週間でかなり見えてくるようになります。いまは這うようにして、頭をふらつかせながらヨチヨチ歩いていますが、もう一週間でぼちぼ
ち歩き始め、外の世界に関心を持ってくると云います。身づくろいをしたり、兄弟・姉妹と遊び始めます。自力での排泄も生後3週間くらいでできるようになります。トイレの躾の始まりです。
毛の色や大きさなどで、すでに個体の区別がじゅうぶんにつくほど、表情が出てきています。歩き始め、遊び始めると個性が見えてくるでしょう。それぞれどんな性格の持ち主でしょうか。
育児室は、いついっても綺麗になっています。赤ちゃんのうんちなどもきちんと母ネコが始末しているのです。たいしたもんですね。
授乳中の発情による軟禁にあって、ハーネスをつけてのミーヤとのつかの間の散歩は、この町ではよほど珍しいことなのでしょう。農作業の行き来の軽トラックを止め、しばしその様子を眺めたり、自転車に乗ったおじさんがニヤニヤして通ったり、すっかり注目の的です。わたしがよほど優雅な酔狂者に映っているに違いありませんが、こちらは変ちくりんな虫どもから娘を守る、いわば梅宮辰夫兄ぃの気分です。それでも、回数を重ねるにつれ、気ままな猫の生態を観察することも楽めるようになってきました。
一昨日の夜来からの雨は、しっとりとした風情ながら、大地を濡らし春冷を連れてきました。その散歩も中止です。
古い造りの仮住まいは、そうであるがゆえに、日長続く雨の臭いや粒音を家中の隅にまで伝えてくれます。ミーヤにも分かるのでしょう。外出できずにあいにくですが、雨のお陰で近づく雄の影もなく、安寧なひとときを過ごしています。雨の休息は、人にも猫にも優しいようです。
七匹の仔ネコに関しては、これまで何枚かの写真にアップしてきたとおり、すでに毛色の特徴ははっきり分かるようになっています。薄茶の仔以外は、最初の頃はどれも同じようでしたが、ミーヤに似たマーブル調の薄いキジトラが三匹、ブチ柄の入った仔が三匹。柄や濃淡にもそれぞれの特徴がありま
す。
先日もご近所の方が仔ネコを見学に来られましたが、いまは薄暗い奥の部屋の、しかもその隅に籠もってしまいましたので、良くわからないなあと残念がっていました。そこは、外敵からは最善ですが、この数日の寒さが堪える場所でもあります。産まれたときの倍以上に成長していますし、七匹がいつもひと塊で暖をとっていますので、大丈夫だとは想いますが、念のためと湯たんぽを欠かさないようにしています。ただ、あまり近づけるとやけどしてしまうので、どれだけ効果があるかは不確かですが・・・。
わたしたちもこの数日、育児室についてはチラ見程度でした。さきほど、ご機嫌伺いに覗いてみますとビックリ。すっかりネコらしくなって、目でわたしたちの影を追います。妻はチョー可愛い、チョー可愛いを連発。
春よ来い 早く来い
歩きはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへでたいと 待っている
もう春なんですがね。仔ネコの活動に合わせて、はやく暖かくなって欲しいものです。
本日は、育児室の移転と改造を試みましたが、あえなく失敗。どうしても、奥の部屋の隅が良いらしいです。
ミーヤが選んだ場所は、荷物の保管部屋にあり、部屋中いっぱいに、ダンボールなどが山積みとなっており、なかなか身動きできません。しかも、その床の間の隅に構えたものですから、狭い・暗い・寒いの三拍子です。これから仔ネコたちは歩き出し、外の世界に興味をもってきます。荷物と荷物の隙間をぬって冒険して、どこかにはまって脱出不能になっても、ミーヤも人間も救助困難となります。トイレや離乳の訓練スペースも必要です。そういう親心でした・・・が、どうしても、静かで育児に専念できる今の場所が良いのだそうです。
そうなりますと、奥の部屋の居住まいを活かしていかないと駄目ですね。そうなりますと、荷物の方をいくつもどけないとできません。つまり、かなりおおごと、です。
うららかな春の経を散歩でもしながら考えてみましょう。
仔ネコたちの歩きがずいぶんしっかりしてきました。ときおり顔を覗かせますと、興味深げにわたしたちをみつめますし、物音にもきちんと反応します。じゃれあったり、舐めあったり、ときにはおっぱいを巡って喧嘩もします。妻のチョー可愛いは、スゲェエ可愛いに変わりました。
さきほど、ついに育児室の改造を決行。仔ネコの成長に合わせるため、40a×55aのひと部屋を増築し、仔ネコの訓練用トイレも設置しました。ミーヤお母さんは、ダンボールを何個か移動させたときは、部屋の様子が変わったためか、いぶかしむように見つめていましたが、リフォームはどうにか合格点だったようです。
さて、昨日のこのコーナーで、七匹の仔ネコのうち、六匹分の写真しかアップしていないことに気づきました。本日は、まずその仔に登場してもらいます。なんだか日に日に写真の枚数がとめどなく増えていきそうです。そんなわたしを誰か止めてください。
ミーヤがさかんに外に出たがっています。散歩につきあいますと、ふだんならハーネスをしていなくともわたしがついていくのも厭わず、気まぐれながら、その気まぐれなコースを周回すると満足して帰るのですが、昨夕からちょっと様子が違います。発情も10日目というのに、波があるのでしょうか。巨大な雄ネコが家の周辺に近づいて、吼えています。 秋田の地の冬を生き抜いてきた、野生の貫禄があります。小狸ほどもあり、毛が厚く、怪力で敏捷そうです。脅すと、山をひとっ飛び、駆け上って逃げていきます。山賊野郎のブ男ながら、たしかに精悍。美女と野獣と申しますが、頼むから勘弁してくれよう、という感じです。
それでも、一旦、部屋に戻れば、献身的に母親ぶりを発揮します。おっぱいをあげて、仔ネコのお尻をさかんに嘗めるのは排泄をうながし、処理するためです。発情にしろ、子育てにしろ、本能とは凄いものですね。